あれはそう、私が中学1年の頃でした。
5月頃だったと思います。
多くの子たちが英語を学び始めたばかりの頃、
学校の英語の授業では先生の指名で
生徒が教科書の音読をしていました。
そのとき先生に指名されたのは金子君でした。
すっと立ち上がり金子君はこれ見よがしに
巻き舌全開で英文の音読を始めました。
ネイティブっぽい読み方といいますか、
「頑張って覚えた発音を披露しています」
というような読み方だったように思います。
「うわー、金子め、カッコつけやがって。やだやだ・・・。」
私は典型的な日本人のリアクションをしていたように思います。
そんなカッコつけて読まなくてもいいのに。
だいたい合ってるのか?その発音?
お前適当に舌巻いてるだけじゃねーのか?
東京は「トウキョウ」でいいじゃんか。「トキオ」なんて言わんでいいわ。
・・
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そんな風に思っていたように思います。
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「しかし」、というべきか、
「だから」、というべきか、
その後金子君は愛知県下指折りの進学校である
菊里高校へ進学し、その後慶応大学へ進学したと聞いています。
10年もの時を経てようやく私は理解するのです。
「あぁ、やっぱり金子君が正しかったんだ。
真似から入らなきゃいけないんだ。
語学だからこそ真似から入るべきなんだ。」
思春期の中学生は、抑揚をつけたネイティブっぽい英文の読み方は
ちょっと照れがあるかもしれませんね。
しかし、恥ずかしそうに、棒読みで音読をする中学生を見るたびに、
私は同級生の金子くんを思い出すのです。
金子くんが正しかったんだ。
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そんなわけで、生徒の皆さん。
英文の音読をするときは、とにかく上手な人の真似をしましょう。
言葉のリズム、抑揚、発音など。
正確な発音なんかはもっとあとに正すことにして、
周りを気にすることなくどんどん真似をして音読することですね。
以前、友達に「
ラサール今井くん」という子がいた
という記事を書いたことがありましたが、
本日は、音読上手な「菊里金子くん」の紹介でした。
今日はこのへんで。
それでは。